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REVIEW「超戦」vol.6 | 迫る大捜査線、逃げきるヴォレアス | 第六戦 vs 警視庁フォートファイターズ

シリーズでお届けするREVIEW「超戦」。

今回は「2019-20 V.LEAGUE DIVISION2 MEN」第六戦、11月24日(日)に茨城県で行われた「警視庁フォートファイターズ戦」の戦評です。ピックアップ動画も記事の最後にご紹介します!

ヴォレアス北海道 3 21 – 25
25 – 18
25 – 16
25 – 21
1 警視庁フォートファイターズ

両チームともサーブを含めオフェンスのミスが多い展開の中、警視庁フォートファイターズは中村、中道、河西らがアウトサイドから力強いスパイクで攻勢をかけ、第1セットを先取した。これに対しヴォレアス北海道は、古田を温存させスパイカーに張や戸田、セッターに辰巳を配置し、サーブとアタックの決定力の高さで第2、第3、第4セットを駆け抜けるように連取。セットカウント3-1でヴォレアス北海道が開幕からの連勝記録を6に伸ばした。

 

この試合は、終始両チームともサーブやスパイクのミスが目立つ展開が続いた。しかし、終盤はヴォレアスの方がミスの発生率が低く、サーブやアタックの決定力で警視庁に上回る展開となった。特にMB(ミドルブロッカー)の田城貴之は61.7%のアタック決定率となり、この試合で一番高い決定率を記録した。MBはクイックによるアタックが多くなる特徴があり、一般的にはOH(アウトサイドヒッター)やOP(オポジット)に比べて打数や得点、決定率が低めになることが多い。しかしこの試合での田城貴之の高い決定率は、チームのオフェンスシステムが機能していたことを示すものであり、攻撃の数的優位(※1)を生み出すとともに、チームのディフェンスも安定していたことがうかがえる。また田城貴之とともにキサルもMBとして堅実なブロックをみせ、ブレイクによる連続得点の起点となっていた。

 

開幕から6連勝を記録し、今後他チームからの研究やマークも厳しくなることが予想される。エドHCは選手起用や戦術構築で、どのような手腕を発揮していくか注目される。

 

※1「数的優位」ってなに?
バレーボールはネットを挟んだ攻防戦である。その最前線となるのが「アタック」VS「ブロック」である。現代のバレーボールでは、フロント(前衛)にいる3枚のブロックに対して、いかに多くのアタッカーが攻撃体制に参加するかが重要となってくる。そのため攻撃ではバックアタックも加えた攻撃体制によってアタッカー数を増やしブロック数に対して数的優位を生み出すことで、相手ブロックの思考判断と組織力を分断することが重要となってきている。

 

PICKUP PLAY

今回はレセプションがネットから離れてもMBが攻撃に参加&実際に得点しているシーンです!

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