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REVIEW「超戦」vol.14 | チームの成長をホームで証明できた一戦 | 第十四戦 vs ヴィアティン三重

シリーズでお届けするREVIEW「超戦」。

今回は「2019-20 V.LEAGUE DIVISION2 MEN」第十四戦、1月25日(土)に北海道旭川市で行われた「ヴィアティン三重戦」の戦評です。ピックアップ動画も記事の最後にご紹介します!

ヴォレアス北海道 3 25 – 21
25 – 18
25 – 20
0 ヴィアティン三重

優勝を視野に入れ首位を走るヴォレアス北海道は4位のヴィアティン三重と、久しぶりのホーム旭川での対戦となった(1月25日時点)。三重は堅実なディフェンスに定評があり、ヴォレアスのオフェンスにどう対応するかが注目される試合となった。

両チームともディフェンスエラーが少なく、攻撃の組み立て方が勝敗に大きく影響を与えた。特にヴォレアスは、ブロックとその後ろに控えるフロアディフェンスとの連動、つまりトータルディフェンスと、状況に応じた正確なポジショニングが機能しており、観る側からすると「選手が待っている所にボールが来る」安定したレセプションやディグを発揮していた。ブロックはゲス(※1)によるものはなく常に2枚以上で対応することでディフェンスの安定性に貢献しており、相手にとってしつこくプレッシャーのかかるものであった。

このように無駄な運動量を浪費せずかつ安定したディフェンスは、パフォーマンスの高いオフェンスを生み出すことにつながる。この日のヴォレアスは、田城兄弟がMB(ミドルブロッカー)として終始コートに立ったが、両名ともクイックによるスパイクの打点と高い決定率をたたき出した。また、OP(オポジット)古田の得点力は相手を圧倒するものであり、途中交代で入った張も高い攻撃力を維持するなど、三重の攻撃陣と攻撃能力の差を見せつける試合展開となった。

ヴォレアスにとっては昨年の11月開幕戦以来のホームゲームであったが、11月と比較してもヴォレアスのバレーがより洗練されているのがわかる。先述したブロックの組織力とそれに伴うディフェンスの整備、そして攻撃で活躍したOHの戸田など若い選手たちの成長など、今季リーグを通してチーム力の高まりが見て取れる試合でもあった。

 

※1「ゲス・ブロック」って何?
ゲス(guess)とは「推測」の意味。ブロッカーが相手の状況から推測、判断して、セット・アップ前に直感で動作開始するブロックのこと。アタッカーの動きに合わせて動くことが多く、たまに先読みして正しい判断ができることがあっても、ほとんどが逆モーションのステップや無駄なしゃがみ込みの動作のために反応が遅れてしまうケースが多くなる。ゲス・ブロックは、プレーヤーの勝手な判断で「セット前に動くブロック」であり、現在主流となっているリードブロックを阻害するプレーとして注意したいプレーである。

 

PICKUP PLAY

両チーム粘り強いブロックとディグで繋ぎ、一歩も譲らない長いラリーを最後は佐々木のアタックで制しました。田城広光のディグとセットもフロントでしか使えないと言われがちなミドルとは思えない働きです。

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